「えっ、子供に鍼を刺すの?可愛そう!」
いえいえ、大丈夫です。お子さんには、小児鍼という接触鍼を使いますから、赤ちゃんでも大丈夫です。ただし小学校高学年くらいになると、大人に使うものと基本的には同じものを使用します。少し刺激があるかもしれないので可愛そうですが「鬼手仏心」で治療に当たります。
1.【夜泣き】
わが家の長男が生まれた頃、治療所の2階に住んでいました。ここは京都のど真ん中。夜中になると、暴走族たちが、わんわん走り回ります。その度に狂ったように泣き叫び、抱っこしようが、お乳を飲ませようが、一向に泣き止みません。そこで小児鍼をしました。すると3日目位から、泣いてもすぐにまた眠るようになりました。「ほーっ、結構よく効くもんだな。」と我ながら感心してしまいました。その後も勿論、大丈夫です。
(以下は、毎夜1時間以上、一晩に複数回の夜泣きで、困り果てて赤ちゃんを連れてこられたお母さんから、初診後に頂いた喜びのメールです)
「こんにちは 昨日お世話になった☆★です。 昨日はありがとうございました。
結果報告いたします!
おかげさまで途中一回起きましたが、抱っこすることもなく トントンとしただけで寝てくれました。
鍼灸の効果はすごい!と感激しました。
よく寝たせいか、すごく目覚めもよくごきげんな朝を迎えました。
今日、明日と効果の持続を期待致します! 本当にありがとうございました (^0^)」
というように、しばしば、劇的な効果が現れます。またこの赤ちゃんは、結果、3回で治療を終了しました。その後、2週間後に頂いた経過報告メールでは、「泣くこともあるが、以前に比べれば遙かにましで、親としてさほど苦になるほどではない」というようなお話しでした。同じようにお困りの方はご相談下さい。
2.【おねしょ】
夏休みにキャンプへ行くのに、おねしょが心配と母親に連れてこられた小学校5年生の女の子のお話し。そのころ臨床心理士の先生といろんな話をしていて、ここは一つ心理面からアプローチしようと考えました。初診時で「何か困ってることない?」と聞いても、さすがに初めてで何も言いません。それが4・5回目くらいだったか、ぽつりぽつりと話し始めました。
「うちに赤ちゃんがいてね、お母さんは赤ちゃんと寝て、私は一人で寝るの。」というようなことでした。そこで、お母さんに、「完全に寝てしまうまでは、必ず添い寝をしてあげて下さい。」とお願いしたところ、おねしょの回数が一気に減少したのです。それと、本人には鍼治療が苦痛だったようで「早く鍼治療をやめたい」と思ったのか、治ってしまいました。
よく、親御さんが仰る言葉に「この子は手が掛からなくて助かるわ。」というのがあります。ホントにそうなんでしょうか?子供はいつも親にかまって欲しいはずです。子供さんは心の中で無理をしてるんじゃないかな、ともう一度考えてみましょう。上の例は親の愛情をもっと受けたかった例と考えられますが、例えば、子供さんとお布団を買いに行って、自分の好きなお布団を選ばせる。それだけで、おねしょが治ってしまう例もあります。これは、子供の精神的自立を促した事による治癒例と言えるのではないでしょうか。子供さんの病気で機能性の疾患については、特に心理面での配慮が必要と思います。
剣道の道場で、いろんな子供と接してきて、手が付けられないくらいやんちゃな子供が、成長してバイタリティ溢れた立派な大人になってゆくのを、たくさん見てきました。やっぱり、子供は適当にやんちゃな方がよいようで。
さて、小児科の範疇で、機質性の疾患をあげてみますと、多いのがやはり近視、小児喘息、アトピー性皮膚炎などでしょう。
近視や小児喘息に鍼灸が有効なのは、世界保健機関や米国国立衛生研究所、そしてなにより今までの治験例から明らかですが、アトピー性皮膚炎に対しても効果的であることが、最近の研究で分かってきました。アトピー性皮膚炎が、アレルギーや心身症にも分類されていることを考えると、むしろ当然かも知れません。さらに研究の進むことを期待したいところです。
もうひとつ面白い傾向があります。これは筆者だけが感じるのかも知れませんが、子供さんが治療に来られると、女の子は涙をこらえてでも、じっと我慢して治療を受ける子が多いのですが、男の子は泣いて走り回って逃げる子が多いようです。何故か分かりませんが、面白い現象です。
また、これは大人にも言えることですが、治療における動機付けが子供には特に重要なウエイトを占めるようです。上記の例のように、キャンプに行きたいから頑張って治療する。とか、マラソンに出たいから鍼を我慢する。つまり、治療のつらさより、その先の目標が大きければ、大人顔負けの我慢強さを発揮してくれます。そんなとき、本当に早く治って欲しいと思うものです。我々大人も見習わなければ。
「大きな目標のために、いろんな事を我慢する。」これは本当に大切なことです。そしてもうひとつ「思い通りにならないことが世の中にはたくさんある。」ということを理解させるのも大切なこと。しかし、こと病気に関して、後者を理解させるのは本当につらいことです。だから治す方も、治ろうとする方も真剣勝負です。
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