なかむら第二針療所
 
高齢者のための鍼灸治療

Acupuncture for the Elderly
鍼灸治療が身体に及ぼす影響については、他でも触れました。ではそれを最大限に生かすためにはどの様にすればよいのか、高齢者の場合について考えてみましょう。
 ところで皆さんはどこかに身体の不調を感じられてから、どれくらいで治療をする決心をされますか。もちろん苦痛の度合いにもよるとは思いますが、忙しい社会生活の間をぬって病院の門を叩く決心をさせるには、我慢できない、または放っておいてはちょっとまずい、と感じられた時と思います。若いときには「あれ、ちょっと痛いな。」などと感じてもなぜか知らないうちに治って(忘れて)しまっていることがよくあります。ところが年を経るに従って、少しの異変が段々と大きな問題につながって行きます。つまり、「放っておいたら治らない」のです。例えば、少し腰がだるいと治療に来られて、「しっかり治した方がいいですよ。」と言っても、「これくらい。」としばらく放っておかれるとどんどん悪化する、といったことが高齢者には大変多いのです。そこでやっと治療に本腰を入れられるのですが、良くなるのにかなりの時間を要するのは言うまでもありません。ですから、年をとるに従って、身体に異変を感じたら早めに治療しましょう。
 それともうひとつ忘れてはならないのが、病気の予防です。人間誰しも、「健やかに老いる」ことを願っています。その為にはとても大切なことが3つあります。
 一つ目は寝たきりにならないこと。
 二つ目はボケないこと。
 そして三つ目はなんでも食べられること。
簡単に言うと、自分の頭で考えて、どこへでも出かけて美味しいものが食べられる、ということです。さて、鍼灸治療を定期的に受けていて、足腰が弱って、寝たきりになる方は殆どおられません。それどころか、寝たきりの方が、鍼灸治療によってたくさん救われているのです。また、鍼灸治療は脳内の微小循環の改善効果も証明されています。これにより、脳血管性の痴呆(脳内の細かい血管が詰まってしまって、ごく狭い範囲ではあるが、あちこちで脳細胞が死んでしまう)に対して効果があると言うことです。また、何でも食べるためには内科的な病気、例えば糖尿病や高血圧などに気をつけましょう。以前、ご自分で血糖値を測定する器械を持っておられる方がいて、その方が、鍼灸治療を受け始めてから、薬を飲み忘れても血糖値が上がらなくなった、と仰るのです。理論的には想像できていましたが、この患者さんの毎日のデータが鍼灸の効果を裏付けることになったのです。
 また「健やかに老いる」ためには病気になっていては話になりません。鍼灸治療は病気の予防、並びに初期段階での治療に関しては大変効果的です。これは、鍼灸治療を少し継続された方ならわかっていただけると思います。また、前述の「鍼灸の効果」のページでも、触れた通りです。
 鍼灸は数千年の歴史をもつ治療法です。その安全性は、時代が証明しているのです。文学で言えば、シェークスピアか紫式部と言ったところでしょうか。それらは、現在もなお文学のバイブルとして、多くの人を魅了しています。体の生理機能に逆らわないこの治療を、有効に活用して下さることを願います。





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